問題点をいくつかあげてみました。
順に説明しています。
口の中の銀歯や金歯などの金属が
唾液でイオン化され体内に入り、
全身の症状となって表れる金属アレルギーがあります。
皮膚に発疹がでたり、水ぶくれができます。
代表的な疾患としては、
掌蹠膿疱症があげられます。
皮膚科での診断が必須です。
検査法は、皮膚科でのパッチテストです。
歯科で行う
治療法は、口腔内の金属を一掃することです。
可能性の高いモノから除去はしていきますが、
基本的には、すべての撤去が必要となる可能性が高いです。
したがって、皮膚症状と、金属アレルギーとの因果関係を
100%特定するのは困難なのだそうです。
この点は、皮膚科の先生からよく、説明をお聞きください。
歯科で使われて、お口の中にある金属は多種多様です。
メーカーによって、成分が微妙に異なり、
患者さんに使用されている金属を
すべて特定するのは一般的には、困難です。
歯科用金属アレルギーと診断された場合、
基本的には、口腔内の金属をすべて取り除かなくてはなりませんが、
歯の土台の部分の金属は時に除去が困難です。
治療期間が長期に及ぶことがあります。
金属を使用しないセラミックなどの詰め物、かぶせもの
キャドキャム冠、インレーの適応拡大により、
かなり保険でカバーできるようになってはきましたが、
全て保険でカバーされるわけではありません。
奥歯の詰め物は、キャドキャムインレーが適応となりましたが、
かなり削る量が多く、歯に負担がかかります。
ブリッジは、ごく一部を除いて、
金属を使わない場合は保険外治療になります。
多くの金属がお口に入っている場合は、
患者さんにとって、かなりの出費になります。
全く金属使わない義歯。
総入れ歯をのぞき、
一般的に義歯は、金属のバネが必要です。
残念ながら、
金属のバネのない義歯は保険ではお作りできません。
以上、担当の皮膚科医、歯科医とよく、ご相談下さい。
日補綴会誌 Ann Jpn Prosthodont Soc 8 : 327-339, 2016
歯科金属アレルギーの現状と展望 補綴主導の歯科金属アレルギー診療ガイドライン策定
石川県金沢市 おかべ歯科医院
歯科医師・院長:岡部孝一
公益社団法人 日本口腔外科学会 指導医・専門医、医学博士