三叉神経痛と歯の痛み
歯の痛みと、区別がつきにくい時があります.
三叉神経痛に関しましては
十数年前に、県中時代に、歯科医院からの紹介で受診され、
脳神経外科で手術を受け、寛解した症例を経験し、
論文を書いたことがあります.
その患者さんは、下あごの、発作的で、激烈な痛みを伴っていて、
食べることも、しゃべることも、ままならない状態でした.
不安で、かなり衰弱も認められていました.
薬物療法も、限界があり、脳神経外科で手術を受けられました.
上小脳動脈という動脈が三叉神経を圧迫しており、
これを解除することにより、疼痛は、完全に消失しました.
開業した今でも、年に数人、三叉神経痛かもしれないなという
患者さんは、コンスタントにおられます.
その特徴をかいつまんでお話しします.
三叉神経痛の特徴
上あご、下あごの、発作的で、電撃的な激しい痛みを特徴とします.
噛む、顔を洗う、歯磨きなどの軽い刺激で誘発されます.
専門的には、「トリガーポイント」といいます.
歯痛ではないかと歯科を受診することはまれではありません.
歯が原因かどうかなど、原因を診断することは時に困難です.
鎮痛剤は無効です.
痛くない時は、ぜんぜん痛くありません.
寝ている間は、痛くない場合が多いそうです.
心当たりの方は、ご相談下さい.