まず、かぶせモノをつけて下さい!?

投稿者 okabeshika on 2月 27, 2022

まず、かぶせモノをつけて下さい!

なぜ歯周病治療が終わらないと、かぶせモノ(冠)の治療ができないのか

よく患者さんから、質問されます。

「まず、歯がないと、みっともないし、
 噛めないので、歯石を取ったりする前に、
 かぶせモノをつけてくれないか。」

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お気持ちは、よく分かりますし、
私もそうしてあげたいのは、やまやまですが、
申し訳ありませんが、それはしてさし上げられません。
意地悪で言っているのではありません。
その理由を説明します。

 先ずは、

制度上の理由から。

最大の理由は、保険の制度上、
「歯周病治療→冠の治療」の順番で
治療することが決まっているからです。
逆転することはできません。
これは、どうしようもないことで、
法律で決まっていると言っても良いくらいです。

健康保険法第76条
→厚生労働省告示「診療報酬の算定方法」
 =「診療報酬点数表」
→「歯周病の治療に関する基本的な考え方」
(令和2年3月 日本歯科医学会)で決められています。
(私は法律の専門家ではないので、間違っていたらすみません。)

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以下はその

医学的な理由です。

かぶせモノをすると言うことは、
歯にとって、非常に負担のかかる治療です。

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よって、かぶせモノをする前に、歯周組織を
ベストな状態に持って行かなければなりません。

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そもそも、歯石が着いていると、
歯にぴったりの冠をおつけできません。

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しっかり磨けている状態でないと、
二次的なむし歯になりやすいです。

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歯肉に炎症、腫れがあると出血しやすく、
正確な型が取れず、不適合な冠となってしまいかねません。

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歯周病の治療は

  1. 一回目の検査
  2. 浅い部位の歯石除去(スケーリング)
  3. 二回目の検査
  4. 深い部位の歯石除去(SRP)
  5. 三回目の検査、が基本手順となります。
  6. 必要に応じて、ブラッシング指導を行います。

かぶせモノの
治療手順は、

  1. 必要に応じて、根の治療(根管治療)
  2. 土台(コア)の型を取る
  3. 土台を装着する(コアセット)
  4. 規定のカタチに歯を整える(形成)
  5. カタ、かみ合わせをとる(印象採得、咬合採得)
  6. かぶせモノを装着する、になります。(冠のセット)

以上よろしくお願いします。

 まとめ


歯周病治療が終わらないと、かぶせモノ(冠)の治療ができません。
①制度上の制約
②医学的な理由、の二つがあります。

 石川県金沢市 おかべ歯科医院
歯科医師・院長:岡部孝一
公益社団法人 日本口腔外科学会 指導医・専門医、医学博士