まず、かぶせモノをつけて下さい!
よく患者さんから、質問されます。
「まず、歯がないと、みっともないし、
噛めないので、歯石を取ったりする前に、
かぶせモノをつけてくれないか。」
お気持ちは、よく分かりますし、
私もそうしてあげたいのは、やまやまですが、
申し訳ありませんが、それはしてさし上げられません。
意地悪で言っているのではありません。
その理由を説明します。
先ずは、
最大の理由は、保険の制度上、
「歯周病治療→冠の治療」の順番で
治療することが決まっているからです。
逆転することはできません。
これは、どうしようもないことで、
法律で決まっていると言っても良いくらいです。
健康保険法第76条
→厚生労働省告示「診療報酬の算定方法」
=「診療報酬点数表」
→「歯周病の治療に関する基本的な考え方」
(令和2年3月 日本歯科医学会)で決められています。
(私は法律の専門家ではないので、間違っていたらすみません。)
以下はその
かぶせモノをすると言うことは、
歯にとって、非常に負担のかかる治療です。
よって、かぶせモノをする前に、歯周組織を
ベストな状態に持って行かなければなりません。
そもそも、歯石が着いていると、
歯にぴったりの冠をおつけできません。
しっかり磨けている状態でないと、
二次的なむし歯になりやすいです。
歯肉に炎症、腫れがあると出血しやすく、
正確な型が取れず、不適合な冠となってしまいかねません。
以上よろしくお願いします。
歯周病治療が終わらないと、かぶせモノ(冠)の治療ができません。
①制度上の制約
②医学的な理由、の二つがあります。
石川県金沢市 おかべ歯科医院
歯科医師・院長:岡部孝一
公益社団法人 日本口腔外科学会 指導医・専門医、医学博士